2019年11月11日発売の週刊少年ジャンプ2019年50号で、アクタージュ89話が掲載されました。
アクタージュ88話は、本当の意味での王賀美の策が明らかになりました。
一見無策に思えるかのようなその尊大な演技は、あえて観客の情を羅刹女に移すためのものでした。
同情による悲しみを移すことにより、羅刹女の怒りと悲しみが同一のものであることを観客に伝えたのです。
自分のイメージを壊すことなく、しかしそのイメージを変化させることで羅刹女の舞台を塗り替えた王賀美は、まさしく助演という立場にふさわしいものでした。
こうして羅刹女の一幕は終了し、いよいよ二幕が始まろうとしています。
本記事ではアクタージュ89話「海の中」のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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アクタージュ89話のあらすじネタバレ
怒りとは悲鳴である、そう王賀美は怒れる夜凪を表現します。
そして同時に白石の「やっと王賀美君に10年前の償いができます」という言葉にようやく合点がいきました。
スターズを抜けたあの時、王賀美は怒りのあまり抜けたのではなかったのです。
もちろんあの時確かに王賀美は怒っていたのかもしれませんが、それ以上に今の夜凪と同じように悲しんでいたのです。
それは、王賀美だからこそ理解ができたものだったのです。
それを王賀美は理解できてよかったと称し、それが気付けたのは自分が今回助演というポジションであったからだとしています。
何を演じても王賀美陸、が助演に回ることによって羅刹女を主人公に昇華させたことを花子は舞台袖で理解します。
それは一幕を見終えた観客たちにもしっかりと伝わっていました。
その天才が故の立ち回り、天才が天才を引き立てる舞台に人々の期待が高まります。
そして同時に俳優仲間のなかには、チーム乙の阿良也への不安と、様子のおかしかった夜凪への不安を浮かび上がってきました。
そして視点は星アリサと天知心一に切り替わります。
かつて王賀美を育てたものと今の王賀美を守るもの、としてそれぞれの意見が対立します。
どれでも星は千世子の力を信じている様子がうかがえます。
その星が最も恐れているのは夜凪でした。
自らを飲み込むような強い存在感をコントロールし、演技を続ける精神力にこそ、星は夜凪を危険視していました。
しかしそれによる代償についても指摘します。
このまま終幕まで演じることができるのか、それを星は見定めていました。
舞台袖へと戻ってきた夜凪に、烏山たちが駆け寄ろうとするもののそれを王賀美が止めます。
そして花子に対して一言だけ、「あいつを刺激する」と言い外に出るよう促します。
それを言われた花子は一言「怒りはまだ風化していないか」と尋ねます。
それに対し揺らぐ夜凪に、王賀美は落ち着くように諫めます。
そして夜凪の心象描写へとシーンが移ります。
幼いころ、中学生の夜凪景がその夜の海に現れます。
なにもかも壊したいと願う当時の想いを憑依させていることが分かります。
夜凪はあえてその想いを引き出し、そして演じているのです。
激情に身を任せるのではなく、お芝居のために呼んだと言います。
私は役者である、と断言しコントロールをし続けることを決める夜凪ですが、その憎悪の権化はだんだんと声を荒げます。
そしてそれを鎮めるために、夜凪は花子の胸倉をつかみ上げたのです。
そのセリフは、花子に向けてだったのか、自分の中にある憎悪の権化に対してなのか、果たしてどちらにも、なのか。
それを見ていた、デスアイランドで共演していた烏山は強くなったと心の中でつぶやき、今度はそれに対して自分たちが報いる番だと、二幕に向かうのでした。
夜凪の舞台に対する感情と、役者としてのプライドはサイド甲に伝播し、いよいよ羅刹女の二幕がスタートします。
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アクタージュ89話の感想と考察
今回は夜凪の心象描写があまりにも苦しく、そして夜凪の強さが改めて表立ったものでした。
様々な経験をもとに、少しずつ強くなっていったことが分かる夜凪が「私は役者だ」と舞台をめちゃくちゃにすることになく、演じ切ろうとしているのです。
そしてその憎悪を改めて呼び寄せることで、自分の演技へと還元し最高の舞台を作ろうとしているという強さがあまりにも涙ぐましく、そしてその強さに烏山の感想も納得です。
目下の問題としては、星アリサの「最後まで演じきられるか」という点にあります。
精神状態的にぎりぎりな夜凪は何かのきっかけで崩れ落ちてしまえば、先週までの王賀美のような「エンターテイメント性」を失ったものになってしまいます。
しかしそれを受け止めるのは、王賀美、そして他の仲間たちです。
彼らがいる限り、夜凪が崩れることはないと思いたいです。
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